邪険な十兵衛が、一転、「どうか、中へ」。なぜ?

9月 26, 2011 - 9:08 pm コメントは受け付けていません。

 親鸞会で、蓮如上人の話を聞いてきました。
 先月の続きを、お伝えしましょう。

 蓮如上人が布教に出られた帰路、日が暮れ、途中、見えてきた
人家に寄ったものの、「坊主が大嫌いなんだ」と、戸を閉められ
てしまいました。
 やむなく上人は、作業小屋の軒下で一夜を明かされました。
 翌朝、お弟子の一人が、
「申し訳ありませんが、少しばかり食べ物を分けていただけない
でしょうか。上人さまの分だけでも……」
と頼みますが、家の主人は、
「しつこい坊主だ。まだいたのか」
といい、荒々しく物を投げつける始末。こともあろうに、
蓮如上人の頭にまでぶつけたのでした。

「おけがはございませんか」
 駆け寄る弟子たちに、上人は、
「私にけがはないが、重兵衛のような男にこそ、弥陀の本願を
伝えたいものだ」
と悲しまれました。
 この言葉を聞いた主人・重兵衛は、雷に打たれたようにハッと
しました。己の欲深く冷酷な心が照らされ、いたたまれなく
なったからです。
「申し訳ありません。これまで見てきた坊さんとは、全く違う方
のようです。どうか、中へお入りください」
 丁重にお詫びして、上人を、お迎えしました。

 もう少し続きます。

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