切り刻みても飽くかよ(後半)

5月 2, 2012 - 12:03 pm コメントは受け付けていません。

(前号の粗筋)

 蓮如上人が吉崎に入り、弥陀の本願を説かれるや、大勢の
参詣者であふれ、中には、遠路、東北から足を運ぶ門徒も
あった。
 ところが、浄土真宗の僧侶でありながら土蔵秘事で大勢を
迷わせていた浄祐という男も参詣、それを見られた蓮如上人
は、どうされたか。

 浄祐を見られた蓮如上人は、激しい怒りをあらわに
されます。
「親鸞聖人のみ教えをネジ曲げるとは、何と憎たらしい奴だ」
 これだけではありません。歯をくい締められて、
「切り刻んでも飽くかよ、飽くかよ」
と、繰り返し叫ばれたともいいます。
 八つ裂きにしてもすまない気概に、そばにいたお弟子は、
皆、戦慄したでしょう。その緊迫した様子を、
『御一代記聞書』に次のように著されています。
「蓮如上人、奥州の浄祐を御覧候て、以ての外御腹立候て、
『さてさて親鸞聖人の御流を申しみだすことの浅ましさよ、
憎さよ』と仰せられ候て、御歯をくい締められて、
さて『切り刻みても飽くかよ、飽くかよ』と仰せられ候」
(二四三)

 84歳の聖人が長男・善鸞を勘当され、ご臨終にお詫びに
きた善鸞に、面会さえ許されていないことからも、
善知識の、邪を憎まれる鬼気迫る激しさが、知らされます。

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